老齢基礎年金
老齢基礎年金の資格期間
老齢基礎年金の受給資格期間は,最低25年,最高40年が原則とされている。ただし,期間短縮措置に該当する期間を満たした場合には,25年の受給資格期間がなくても老齢基礎年金が支給される。老齢基礎年金は40年間の期間を満たせば満額支払われる。したがって満たさない場合には減額されることになる。給付にあたり,国民年金の保険料を納めた期間,保険料を免除された期間,被用者年金(厚生年金保険や共済組合等)の被保険者期間,カラ期間(合算対象期間),学生納付特例期間,若年者納付猶予期間,育児休業中の厚生年金保険料免除期間などを合算し,25年以上あれば受給資格期間を満たすことになる。
このうちカラ期間と学生納付特例期間,若年者納付猶予期間は受給資格期間に含まれるが,老齢基礎年金額には反映されない(ただし,若年者と学生の納付特例は保険料を10年以内に追納すれば,老齢基礎年金額に反映される。在学中の障害事故には障害基礎年金が満額保証される)。
※1 追納がない場合の学生納付特例期間,若年者納付猶予期間は年金額に反映されない期間となる。
※2 国民年金保険料の多段階免除を受け,追納がない場合はその期間分に相当する年金額は免除割合に応じて減額となる。
※3 育児休業期間中の厚生年金保険料免除期間は保険料を納付した扱いとなるため年金額の減額はない。
老齢基礎年金の年金額
老齢基礎年金の年金額は792,100円(月66,008円)である。792,100円(満額)という金額は保険料を納めた期間が原則として40年間必要である。60歳までの40年間,国民年金に加入し,すべて保険料を納付した人が対象となるが,40年間加入できない人もいるため国民年金の加入可能年数(制度が発生した昭和36年4月1日以後,国民年金に加入可能な20歳から60歳になるまでの年数)を定め,その全期間に保険料を納めていれば満額の老齢基礎年金が受けられる。
また,第1号被保険者の保険料多段階免除期間は,老齢基礎年金額を計算する際,各免除段階に応じた計算が行われる。この場合,基礎年金の国庫負担割合が3分の1となっている現在の計算方法と,平成19年度をメドに2分の1に引き上げられた場合の計算方法は,次のように異なる。
(※1)・育児休業中の厚生年金保険料免除期間は,国民年金の保険料納付済期間の扱いとなる。
・若年者と学生の納付特例により保険料を納付しなかった期間分は,10年以内に追納すれば保険料納付済期間に算入されるが,追納がない場合は未納扱いとなるため年金額に反映されない。
・厚生年金保険の被保険者の場合,昭和36年4月以後〜昭和61年3月までの被保険者月数も国民年金に加入したものとみなし保険料納付月数とする。
・被扶養配偶者の保険料納付月数は,昭和61年4月以後の国民年金の第3号被保険者期間と,それ以前に任意加入して国民年金の保険料を納めた期間の合算期間をさす。
老齢基礎年金にプラスして付加年金
国民年金は保険料,年金額とも定額にしている。その結果,年金額はきわめて不十分といえる。これを補う年金として付加年金がある。
付加年金に加入できる人は第1号被保険者に限られる。従来,サラリーマンの妻は加入できたが,現在は加入できない。ただし,旧制度で付加保険料を納めてきた人は,その分,老齢基礎年金に上積みされる。付加年金の年金額は200円に付加保険料の納付月数をかけたものが年額になる。保険料は400円。なお,老齢基礎年金の繰り下げ,繰り上げ支給に連動し,増減率も同じように適用される。付加年金の額は物価スライドしない。
老齢基礎年金の繰上げ,繰下げ支給
老齢基礎年金は65歳が支給開始年齢となっているが,希望により年金額を減額して60歳〜64歳から繰り上げて受けたり,年金額を増額して66歳〜70歳に繰り下げて受けることもできる。年金額は次表の支給率(生年月日により2通りの率となる)を乗じて計算するが,一度減(増)額したらこの率は終身変わらない。また,繰り上げ請求するときは,次のような点に留意すること。
① 60歳以上65歳未満のすべての期間,特別支給の老齢厚生年金が受けられる人(男女とも昭16.4.1以前生まれ)は,特別支給の老齢厚生年金が全額支給停止となる(ただし,昭16.4.2〜昭21.4.1生まれの女性は,特例により併給できる)
② 60歳以上65歳未満の一定期間,報酬比例部分相当の老齢厚生年金を受けたあと,65歳になるまで特別支給の老齢厚生年金を受ける人(昭16.4.2〜昭24.4.1生まれ,女性は5年遅れ)は,老齢基礎年金の全部繰上げと一部繰上げのどちらかを選択するが,その際,老齢厚生年金の定額部分の受け方(減額)が異なってくる
③ 障害基礎年金(障害厚生年金),寡婦年金の請求ができなくなる
④ 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給者が就職をして厚生年金保険の被保険者になるとその間,昭和16年4月1日以前生まれの人は老齢基礎年金は支給停止となる。昭和16年4月2日から昭和24年4月1日生まれ(女性は5年遅れ)の定額部分が引き上げられる人は,繰り上げた(減額した)老齢基礎年金が受けられる(老齢厚生年金については,定額部分のうちの経過的加算相当額または繰上げ調整額と,報酬比例部分との合計額が,在職老齢年金の仕組みによる支給停止が行われる)
繰り下げの申し出をするときは,次のようになる。
65歳からの支給開始を延ばして66歳以後の希望する年齢から支給を受けることもでき,申し出れば,その翌月から支給される。なお平成19年4月からは老齢基礎年金の繰下げ支給を希望すると,老齢厚生年金についても繰り下げて年金を受給できるようになった。
配偶者が65歳になったら振替加算
厚生年金保険の被保険者の被扶養配偶者(国民年金の第3号被保険者)も受給資格期間を満たしていれば,65歳から老齢基礎年金が受けられる。ところが,昭和61年4月1日前まではサラリーマンの妻は国民年金に任意加入であったため,その間加入しなかった場合,保険料納付期間が短かく年金額が少なくなるケースが生じてきた。そのため,大正15年4月2日以後から昭和41年4月1日以前生まれの人を対象に振替加算制度が設けられている。
これは老齢厚生年金等の加給年金対象者(妻)が,65歳になったとき,妻自身の老齢基礎年金に加給年金額を上積みして受けられるもので,生年月日により逓減される。つまり妻自身の老齢基礎年金に加給年金が振替加算という年金になって上乗せされるわけである。
昭和41年4月2日以後生まれは,振替加算はない。